Kurageの魅力を考えてみた

世間でKurageを語るとき「Kurageはすごい!」のひとことで終わってしまっていて、何がすごいかを説明している人は実は少ない気がしている。
そこで、個人的な経験や見聞きした事実をもとに考察してみようという気になった。

「なぜKurageなのか?」

オーナーのkid’Oさんをはじめ、個性的で独自の世界観を持った魅力的なスタッフのいる店だから、というのは一因にあると思う。
しかし、ここはEmotional(情緒)ではなくFunctional(機能)を軸に整理したい。
併せて一旦「有名」「品質」「実績」といった思考停止させてしまう要素も除外する。

Kurageを選択する決め手である特徴は以下の4つであると考えている。

  1. 顧客の「理想や自己表現の欲求」を具現化してくれる。
  2. 顧客が望む「ぼんやりとした像」をクリアにし、ゴールを明確にしてくれる。
  3. 似たる何かではなく「それそのもの」を作ってくれる。
  4. 膨大な経験をもとに「適切な示唆・提案」をしてくれる。

(1)顧客の「理想や自己表現の欲求」を具現化してくれる。

それが漠然とした要望や憧れか、明確な要求かは問わず丁寧なヒアリングをおこない、理想に限りなく近づけるための努力をしてくれる。
また、こんな格好をしてみたいといった欲求を後押しして、ラバーで装う楽しみを盛り上げてくれる。

(2)顧客が望む「ぼんやりとした像」をクリアにし、ゴールを明確にしてくれる。

ヒアリングの段階で明確なゴールが見えていない場合も多い。
Kurageでは「どんなことがしたいのか」「ゴールはなにか」を軸に繰り返し問いかけ、顧客が作りたいものがなんなのかを整理し、明確化してくれる。
つまり、課題解決型の手法で「要件定義」をしてくれるので、納得して齟齬のないオーダーができる。

(3)似たる何かではなく「それそのもの」を作ってくれる。

それらしく似せたものではない。
構造、機能、様式といった点を重視した、あくまで素材がラバーである「それそのもの」を作ってくれる。
バッグや和服などの作例がわかりやすいが、それそのものとして成立し機能するものが実現できる。
つまり、仕様面の正確さや精密さを担保してくれる。

(4)膨大な経験をもとに「適切な示唆・提案」をしてくれる。

経験に基づく点で、ここが製造業のポテンシャルをはかる厚みであると考える。
耐久性や表現性を軸に「その素材だから困難なこと」「その素材ならではの表現」など、素材や製法による制限事項の示唆や代替案、思ってもみないギミックの提案をしてくれる。
単に顧客から言われたものを作るのではなく、より正しく見栄え良く機能的な成果物ができるよう考慮してもらえる。

これらは、膨大な経験数をこなさなければ得られない知見や技術資産で、それを注いで顧客の要望に応えてくれることが決め手だと考えている。

 

「kid’Oさんの横顔」

世間では「恐そうな人」「感性に生きる人」「職人」といった先入観を持っている人が多いのではないかと思っている。
実はとても「Logical」な仕事をする人だ、というのが感想。

ヒアリングを経験するとわかることだが、徹底した課題解決をしてくれる。
具体的にはゴールの明確化、実現性、プラスアルファとなる可能性、予算内でのベストエフォート案など、理想を現実にするために必要なことを逆算・積み上げで整理し答えを出す手伝いをしてくれる。
本当に手間をかけて丁寧に対応してくれるので、依頼内容のブレが抑えられかなり明確な納得を持った依頼ができる。

そして、優しさと職人性の所以。
ヒアリングの最中に困難なことについては「やってみないとわからないね」と表現する。これは単に職人の勘で言ってるのではなく、仕様上の無理が見えているので「無理はわかっているが試してみる」というニュアンスで言っている「気」がする。
これは否定ではなく可能性を残してくれる優しさだと思う。
同時に「技術的な解決策がないわけではない」という意味も含み、要望に最も近いかたちで表現できるよう最善を尽くすという職人としての意地もあるのだと思う。
実際に技術的な解決か代替案で納得いく答えを出してくれる。
成果物は、だいたい本人が思いもしないようなところまで気を回し細部を整え、使いやすさを考慮し想像よりも遙かに洗練された意匠として仕上がってくる。

とても緻密で精緻な考えと技術で、顧客が妥協しかけても妥協せずに実現に向けた努力をしてくれる人だ。

ひとりの顧客に対して、膨大な技術工数を費やし技術集団として誠実に対応してくれる点が、やはりKurageの一番の魅力かもしれない。

 

Kurage
http://www.kurage.tokyo/